



「うちの先祖は、どうして北海道に来たんだろう?」──北海道にルーツを持つ人なら、一度は考えたことのある疑問ではないでしょうか。明治以降、本州から移住してきた家庭が多いにもかかわらず、その経緯がほとんど伝わっていないことも珍しくありません。ところが、調べ方を知っていれば、先祖がどんな理由で北の大地へ渡ったのか、その手がかりをたどることができます。
北海道への移住が進んだのは、明治2年の開拓使設置以降です。当時の北海道は環境も整備も十分ではなく、移り住むのは決して簡単ではありませんでした。それでも全国から多くの人が北海道へ向かった背景には、いくつもの事情があります。
「新天地で暮らしたい」という希望、土地不足による経済的理由、士族授産政策、屯田兵制度、開墾会社への参加など、家庭ごとに異なる物語があったはずです。
先祖がどんな理由で北海道へ渡ったのかを知るには、いくつかの基本的な資料を確認するところから始めます。特に重要なのが「戸籍」「旧本籍地」「名字」「地域史」の4つです。
明治期の古い戸籍が残っていれば、北海道に移住する前の本籍地がわかります。そこから先祖の出身地を探り、その地域の歴史や当時の事情と照らし合わせることで、移住の背景が見えてくる場合があります。
名字はルーツを読み解く大きな手がかりです。特定の地域に多い名字や、開拓時代に集団移住した地域の名字など、名字の分布を調べることで「どこから来た可能性が高いか」を推測できます。
郷土史や村史、開拓誌には「どこの地域の人がいつ北海道へ渡ったか」「どの開墾会社に属していたか」といった具体的な記録が残っていることがあります。先祖の旧本籍地がわかれば、地域史の調査は大きなヒントになります。
古い墓地、寺院の過去帳、地元史料館、土地台帳などは、今も現地に残っている貴重な資料です。デジタル化されていない場合も多いため、直接足を運ばないと得られない情報もあります。
北海道移住の歴史は、単なる地理的な移動ではなく、先祖がどんな思いで北の大地に挑んだのかという“家族の物語”そのものです。その背景を知ることは、自分自身のアイデンティティと向き合う大切な時間にもなります。
調査は難しそうに見えても、手がかりをひとつずつ追っていくと必ず道が開けていきます。先祖が北海道へ来た理由を探る旅は、あなた自身のルーツを知る旅でもあるのです。